妊婦さん必見!赤ちゃんが生まれる前からできるむし歯予防について
実は、むし歯予防の先進国フィンランドなどでは赤ちゃんが生まれてくる前から予防歯科を行なっています。
女性は、妊娠するとホルモンバランスに変化が起こって精神的にも不安定になりやすくなります。また、出産準備に何かと忙しくなることもあって、妊婦さんご自身の体へのケアが疎かになりがちのようです。
実はそんな妊娠期こそ、お母さんの努力とお父さんのサポートによってお腹の中の赤ちゃんの歯を守ることを始めることができるのをご存じですか?
歯科予防大国フィンランドでは、実際にお腹の中の赤ちゃんの歯を強くする取り組みが積極的に行われています。では、どのように行われているのでしょうか。
妊娠したら歯医者へ行こう!
CMなどで盛んに宣伝されていて、世の中に広く知れ渡っている「キシリトール」。皆さんは、この「キシリトール」の作用を正しくご存じでしょうか。
CMでも「むし歯になりにくい甘味料」として定着していますし、ガムなどで日本でもお馴染みですから多くの方がなんとなく「歯に良さそう」という認識はあるのではないでしょうか。
キシリトールは白樺の木などから抽出される天然甘味料で、今では日本国内はもちろん、多くの国でで生産されている食品添加物の一つですが、「ミュータンス菌」というむし歯の悪玉菌の活動を抑える効果が期待できる甘味料とされています。
フィンランドなどの北欧では、キシリトールの摂取によるむし歯予防が積極的に行われていますが、最近では、日本でもむし歯予防の方法として行われるようになってきました。
妊婦さんや生まれてくる赤ちゃんの周りにいる人がむし歯予防をすることが、実は赤ちゃんのむし歯予防につながることが知られています。
それは、赤ちゃんに接する回りの人からむし歯菌がうつるので、回りの大人がむし歯ゼロを目指して予防していると自然に赤ちゃんもむし歯になりにくいお口にしやすいことになるからです。
ですので、キシリトールを妊娠中に摂取していれば生まれた赤ちゃんにお父さん・お母さんからむし歯菌がうつりにくいという結果が日本でも報告されています。
まさに、生まれる前から赤ちゃんのむし歯予防が始まっていると言えます。ただ、摂取量が多いと下痢などの副作用がありますので、上手に適量を活用するのが良いと思います。
生まれてくる我が子にむし歯菌をうつさないためには、お母さんだけでなく、お父さんも歯をきれいにすることが大切 です。
もっとも大切なことはやはりお父さんも自分の口の中をきれいに保つことです。
赤ちゃんは生まれてきた時は無菌状態です。その赤ちゃんに毎日接する機会が多いお父さん・お母さんの口の中が、むし歯菌や歯周病菌だらけなら、早い時期に赤ちゃんにその菌がうつってしまう危険性が高いのです。
お父さん・お母さんの口の中にむし歯があればそこには莫大な数の菌がいます。まだむし歯になっていなくても、詰め物が取れた状態で放置されていたり、歯と被せものの適合が悪く、すき間があると、ばい菌の塊である「プラーク」が貯まって、「菌の巨大マンション」のような状態になってしまいます。
そうならないためにも治療は必要です。妊娠がわかったら(できたら、妊娠する可能性が出てきたら)自覚症状の有る無しにかかわらず、まずは歯科医院で検診を受け、必要な治療は終えておくのが賢明だと思います。
妊娠中にもし治療が必要なら,タイミングは安定期!
筑後市のまちの歯科医院では、妊婦さんの検診とクリーニングに関して、時期の制限をしていませんが、もし治療が必要なら、つわりや臨月を避けて、安定期の体調のよい時期に行うようにしています。
治療内容も安定期であれば、特に制限はありません。ただ、治療の必要性と用いる薬剤や処置内容の安全性には充分に配慮して行うようにしています。
お父さんは、奥様の妊娠がわかったらなるべく早く受診して、まずは検診とお口のクリーニングを徹底的に行うとよいでしょう。
日頃から定期的に歯科検診とクリーニングを受けて、治療は済ませておくのが理想的ではありますが、仕事の合間にできるだけ無理なく通院して「治療が終わらないうちに生まれてしまい、バタバタして治療が中断してしまう」事態をできるだけ避ける努力をお願いしたいです。
無事に治療が終わっても、実はその後が一番大切です。家庭での歯のお手入れと歯科医院での定期的な検診とお口のクリーニングをお忘れなく。そうすることで、歯のどこに汚れが残りやすいかとか、どこが磨きにくいかとかが把握でき、より清潔なお口の状態を保つことができるでしょう。
むし歯予防は、家族ぐるみで実践していくことで、最大の効果を発揮すると思っています。