歯並び(かみ合わせ)が人生を左右する – こどものかみ合わせ治療(矯正治療)の重要性とさらなる効果
はじめに
歯並びは、人の第一印象を大きく左右します。笑顔を見せる時に必ず見える歯並びは、日本においても、その人の印象を決定づける重要なファクターになっているのは間違いありません。
もし、歯並びに悩みがあれば、笑顔の口元をを隠してしまったり、自信が持てなくなったりすることも少なくないでしょう。
そのため最近、お子さんの将来を考えて、早いうちに矯正を検討する保護者が増えています。
歯科矯正は、実は見た目の改善だけでなく、全身の健康にも大きく関わる重要な医療だと考えています。
特に最近では、お顔の骨格が変形し、成長不足に陥ったために起こる、子供の「いびき」「睡眠時無呼吸症」や「慢性のアレルギー性鼻炎」など、一般には、およそかみ合わせとはあまり関係性が知られていない問題も隠れていることがよくあります。
小児矯正の最適なタイミングとは?
まちの歯科医院でも「子供の矯正はいつから始めれば良いでしょうか?」というご質問が多く寄せられます。
小児かみ合わせ育成治療(矯正)の最適なタイミングは、5〜8歳ぐらいの乳歯から永久歯への生え変わり時期だと考えています。この時期は、上顎だけでなく「鼻上顎複合体」の成長発育が旺盛な時期ですので、「早期治療」の開始には最適な期間と言えるでしょう。
この時期に乳歯から永久歯に生え替わりが進みますので、歯の重なりやデコボコが見られ始め、歯と顎の大きさのバランスもハッキリとしてきます。
この時期に矯正を始めることで、あごの成長を活かした効果的な治療が可能となります。成長期の柔軟な骨格を活用することで、「矯正治療のための健全な歯の抜歯」のリスクを低減できるだけでなく、高校を卒業する頃までに治療が終わり、一生、良い歯並びとかみ合わせで過ごせるチャンスは大きくなります。
小児矯正(かみ合わせ育成)の身体的メリット
小児矯正の最大の利点は、あごの歪みとお顔の変形を是正し、その子がもつ「本来こうあるべき」健康的なお顔に成長発育を誘導することができ、かみ合わせのアンバランスを予防する効果があることだと考えています。
5〜8歳ぐらいの上顎が大きく成長する時期に適切な矯正とかみ合わせの誘導と育成を行うことで、健全なあごの発達を促進し、バランスの取れた噛み合わせと好ましい顔つきを実現することができる可能性が高まります。
顎とその周囲で,特に上顎と鼻の周りの骨組みの部分を「鼻上顎複合体」と呼びますが、この部分の成長方向と広がり方は、気道の問題(息のしやすさ)にもつながる重要な治療上の改善目標です。
また、歯並びが整うことで歯磨きがしやすくなり、将来的にもむし歯や歯周病の予防にも効果的でしょう。
正しい噛み合わせは、よく咀嚼して食べる習慣にもつながるので、消化器系の健康維持にも大いに役に立ちますし、体全体の健康につながると思われます。
精神的・社会的なメリット
歯並びの改善は、お子さんの精神面にも大きな影響を与えることになるかもしれません。
歯並びに関するコンプレックスを早期に解消することで、いじめを予防し、自信に満ちた学校生活を送ることができることになるでしょう。
また、矯正治療を通じて歯の健康に対する意識が高まり、自己管理能力が育成されます。これは、生涯にわたる歯の健康維持につながる重要な学びとなりますので、子供のかみ合わせ治療は、多くのメリットがあると考えて良いと思います。
治療時の負担とケア
子どもの時期は骨や関節が柔軟なため、歯を動かす際の痛みはあまりありません。また、治療で動かす歯に力がかかったとしても、一過性で弱い力を断続的に使うのがまちの歯科医院のかみ合わせ誘導方法です。
大人の矯正と比べて、治療時の痛みや身体的負担は、軽いものです。当院では、主に床装置の一種である「バイオブロック装置」を用いて、1日中の装着をお願いしていますが、ほとんどのお子さんが1週間から10日で装着に慣れて、負担と感じにくくなるようです。
定期的なメンテナンスや日々の歯磨きなど、継続的なケアが必要不可欠ですので,親御さんにはしっかりと認識して、お子さんのお口の健全育成に参加していただいています。
矯正装置の装着中は、特に丁寧な歯磨きが求められ、若干の食事制限なども必要となる場合もあります。
矯正専門医との連携の重要性
小児矯正を検討する際は、必ず専門医との綿密な連携が必要です。当院は、長崎バイオブロックスタディグループに所属していますので、治療システムの処方や治療段階における重要な決断について、常に研究をしながら治療に取り組んでいます。
お子さん一人一人の歯並びの状態や成長段階、永久歯への生え替わりのスピードなどは、個々に大きく異なるため、それに適した治療計画と途中での再検討を常に行いながら治療を進めています。
また、治療費用や期間についても、事前に十分な説明を行っています。
よくある相談と対応のポイント
小児矯正に関して、多くの保護者の方から寄せられる相談があります。
例えば「子どもに矯正は早すぎないか」「治療中の生活に支障が出ないか」「装置は痛くないか」といった心配の声が一般的です。
これらの不安に対しては、十分な相談を通じて、お子さん一人一人の状況に合わせた最適な治療時期や方法を決めていくことが大切です。
家庭での親御さんたちのサポートが大切です!
矯正治療中のお子さんをサポートするには、ご家族の理解と協力が欠かせません。特に以下の点に気を付けると、より順調な治療が期待できます。
・矯正装置が装着できたら、装置を入れながらでもできるだけしっかり噛ませる食事を工夫する
・定期的な通院を楽しみにできるよう、通院後に家族で小さな楽しみを作る
・丁寧な歯磨きを習慣づけるため、家族で歯磨きタイムを設ける(必ずフッ化物を応用していただきます.)
・治療の進み具合を一緒に喜び、頑張りを認め、励ます声かけを心がける
このような細やかなサポートが、お子さんの治療への前向きな気持ちを育み、より良い結果につながって、数年後には健康なかみ合わせと好ましいお顔、正しい呼吸も手に入れることが可能になっていきます。
おわりに
小児矯正は、お子さんの将来を見据えた予防的アプローチとして非常に重要です。
見た目の改善だけでなく、心身両面での健康維持に貢献する重要な投資と言えるでしょう。
歯並びの問題は、その子のお顔や気道の問題にも直結しているので、漫然と様子を見るのではなく、早期発見・早期治療が望ましいと考えます。
歯並びの問題や気になる点を少しでも感じられたら、お子さんの健やかな成長のために、まずはご相談いただきたいと思います。
このように、小児矯正は単なる見た目の改善だけでなく、お子さんの将来的な健康と幸せな人生のための重要な投資です。お子さんに最適な治療計画を立て、より良い未来への第一歩を踏み出しましょう。