神経を取った歯の寿命は短い?:知っておきたい術後管理の重要なポイント

はじめに

むし歯が進行して痛みが出たり、いったん治療を終わって数年後とかに歯ぐきが腫れたりして、再治療が必要な場合があります。

また,むし歯が深く進行してしまった歯の治療では、「神経(歯髄といいます)を取る」という選択に直面することがあります。むし歯や歯の損傷が進んでしまって、特に痛みを伴う場合に検討される治療ですが、この決断は慎重に行う必要があります。

なぜなら、歯髄には歯の健康を維持する上で重要な役割があり、それを失うことで様々な悪い影響が出てしまうからです。このコラムでは、歯髄の大切さと、歯髄を取ってしまった後の歯の寿命、そしてその治療後にその歯を長く保つためのケア方法について詳しく解説します。

歯の神経(歯髄)の重要性

筑後市 むし歯治療歯髄は単に痛みを感じる器官というだけではありません。

健康な歯を維持するための様々な機能を担っています。まず、痛みを感じることでむし歯や炎症などの異常を早期に発見できます。これは歯の健康を守る上で重要な警報システムとして機能しています。

また、歯髄は歯の免疫機能を支える重要な役割も果たしています。口腔内の免疫力が高い人は虫歯になりにくく、歯周病のリスクも低くなります。特に成人以降の歯の喪失は歯周病が主な原因となるため、この免疫機能の維持は非常に重要です。

さらに、歯髄は歯に必要な栄養と酸素を供給する役割も担っています。これにより歯の強度が保たれ、自然な色合いも維持されます。

歯が萌出(生えてくること)した後も、少しずつ歯は成熟していくのです。歯の色が少し黄色みを帯びているのは自然な状態であり、これも歯髄による適切な栄養供給があってこそ維持される特徴です。

歯髄を取った歯の寿命

筑後市 歯医者一般的な歯の寿命は50~60年ぐらいと言われていますが、神経を抜くとこれが約10年短くなるケースが多いです。これは決して小さな差ではありません。

人生100年時代と言われる現代において、この10年という差は非常に重要な意味をもつのではないでしょうか。

神経を抜いた歯は、以下のような理由で寿命が短くなります:

第一に、痛みを感じなくなることで虫歯などの異常の発見が遅れやすくなります。

痛みは不快なものですが、早期発見・治療のための重要なシグナルとして機能しています。ですから、歯髄を除去した歯はより一層、しっかりとメインテナンスをして管理していくことが大切なのです。

第二に、栄養と酸素の供給が途絶えることで歯が脆くなります。

これにより、普段の食事でも歯が欠けたり破折したりするリスクが高まります。特に、もともと歯質が弱い方は、より一層注意が必要です。

最大のリスクと長期的な影響

筑後市 歯医者神経を除去した歯の最大のリスクは、歯の脆弱化とそれに伴う連鎖的な影響です。

例えば、以前は問題なく食べられた煎餅で歯が欠けてしまうことがあります。また、一本の歯が弱くなると周囲の歯にも負担がかかり、複数の歯を失うリスクも高まっていくのです。

寿命を延ばすためのケア方法

歯髄を除去せざるを得ない場合、その後の適切なケアが極めて重要になります。

まず、治療を行う歯科医院の選択も重要です。治療を担当する歯科医師が経験豊富で、器具器材がそろっており、場合によってはマイクロスコープなどの拡大視野での精密治療が可能な医院を選ぶことで、治療の成功率を高めることができます。

治療は一般的に長期間を要します。この間、自己判断で治療を中断せず、根気強く、歯の修復が終了するまで通院することが重要です。

また、治療後も定期的な検診を受け、口腔環境の変化や歯ぎしりなどの問題がないかをチェックして、対策をしていく必要があります。

まちの歯科医院では、1〜3か月に1回のチェックアップをお勧めしています。

まとめ

歯の神経(歯髄)を取ってしまうこと(抜髄)は、歯の寿命を大きく左右する重要な決断です。ですので、まちの歯科医院では、可能であれば神経は残すことが望ましいと考えて、できるだけ神経を保存する努力を惜しみません。

やむを得ず抜髄する場合は、適切な治療とその後の継続的なケアが不可欠です。必ず、定期的にメインテナンスを受け、ご自身でもより一層、歯を保つための努力をしていただきたいと願っています。日常生活においても、固い食べ物をできるだけ避けるなど、より慎重なお口の使い方を心がける必要もあるかもしれません。

これらの対策を適切に行うことで、歯髄を取ってしまった歯でも長く機能を維持することが可能になるでしょうう。

まちの歯科で行う歯の神経の治療については、こちらもごらんください。

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