CGFを用いた最新の歯科治療メディフュージ

筑後市のまちの歯科医院では、より痛みの少ないインプラント治療を行うために、メディフュージという器械を使用して、効果をあげています。具体的には、術後に「全く痛くなかった」「出血もすぐに止まって、不快感がほとんどなかった。」というような患者さんからの感想が聞かれます。

メディフュージは患者さんご本人の血液を採取し、CGFを生成する遠心分離機です。

CGF(Concentrated Growth Factors)とは、損傷された組織の再生・治癒に働く「成長因子」を多く含んだ血小板がさらに濃縮されているものです。

わずか13分で下のような卵の黄身状のフィブリンゲルが出来上がります。

フィブリンゲルこれを圧迫すると、非常に弾力性のあるフィブリンの膜ができるので、いろいろな「再生治療」への応用が期待できます。

(たとえば、歯周病の治療やインプラント治療など)

CGFの応用例

当院でのCGF精製例です。

ガラスの採血管を用いて採血したものを、メディフュージで遠心分離し、精製します。

CGF精製例

すると、上記のように卵の黄身のようなCGFができます。

ガーゼで圧迫してメンブレン(膜)を作製

これを上記のようにガーゼで圧迫してメンブレン(膜)を作製します。創面に貼付して、保護膜のように使っています。

他にも、いろいろな応用法があります。

GF(Concentrated Growth Factors)のさらに詳しい情報と特定の治療法

CGFの詳細な原理と製造プロセス: CGFは、患者さん自身の血液から抽出される高濃度の成長因子と幹細胞を含む生体材料です。製造プロセスは以下の手順で行われます:

  1. 採血:患者さんから少量の血液(通常9-10ml程度)を採取します。
  2. 特殊遠心分離:採取した血液を、特殊な遠心分離機にかけます。この機器は、回転速度と時間を精密に制御し、血液成分を効果的に分離します。
  3. 層分離:遠心分離により、血液は4つの層に分かれます。最下層から順に、赤血球層、CGF層、血漿層、血清層となります。
  4. CGF抽出:中間に形成されたCGF層を慎重に抽出します。この層には、高濃度の血小板、白血球、成長因子、幹細胞が含まれています。
  5. 使用準備:抽出したCGFは、そのまま使用したり、必要に応じてゲル状や膜状に加工して使用します。

CGFに含まれる主要な成長因子について

  • 血小板由来成長因子(PDGF):細胞の増殖と血管新生を促進
  • 形質転換成長因子β(TGF-β):細胞外マトリックスの合成を促進
  • 血管内皮増殖因子(VEGF):血管新生を促進
  • インスリン様成長因子(IGF):細胞の増殖と分化を促進
  • 上皮成長因子(EGF):上皮細胞の増殖と分化を促進

これらの成長因子が協調して作用することで、組織の修復と再生を促進します。

CGFの詳細な利点について

  1. 高い生体適合性があります。:患者自身の血液由来であるため、アレルギーや拒絶反応のリスクがほぼありません。
  2. 持続的な効果を期待できます。:CGFは、長期間にわたって成長因子を徐放します。これにより、より持続的な治癒効果が期待できます。
  3. 抗炎症作用があります。:CGFに含まれる白血球は、抗炎症作用を持ち、感染リスクの低減に寄与します。
  4. 多機能性です。:骨再生、軟組織再生、血管新生など、複数の組織再生プロセスを同時に促進します。
  5. 自然な治癒促進が期待できます。:体内の自然な治癒メカニズムを活性化し、より生理的な治癒過程を促進します。

CGFを用いた当院での特定の治療法について

1.上顎洞底挙上術(サイナスリフト)での使用する場合、骨形成を促進し、上顎のインプラント埋入の可

能可能性が広がります。

2.即時埋入インプラントでの使用:

    • 抜歯即時埋入インプラントの際、抜歯窩とインプラント間の隙間にCGFを充填します。
    • 骨結合(オッセオインテグレーション)の促進と軟組織の治癒を加速します。

CGF治療の詳細なプロセスについて

  1. 初診・診断:詳細な口腔内診査、レントゲン撮影、CTスキャンなどを行い、CGF治療の適応を判断します。
  2. 治療計画の立案:患者さんの状態に合わせて、最適なCGF使用方法を含む治療計画を立てます。
  3. 採血:治療当日、患者さんから少量の血液を採取します。
  4. CGF作製:採取した血液を特殊遠心分離機にかけ、CGFを抽出します。
  5. 治療実施:抽出したCGFを、計画に沿って適用します。例えば、骨欠損部への充填、軟組織への注入、膜状にして使用するなど、症例に応じて適切に使用します。
  6. 術後管理:通常の術後管理に加え、CGFの効果を最大限に引き出すための指導を行います。
  7. 経過観察:定期的な診察を行い、治癒の進行状況を確認します。

CGF治療の限界と注意点を示します

  • 全身疾患:重度の糖尿病や血液疾患がある場合、CGFの質や効果が低下する可能性があります。
  • 喫煙:喫煙は治癒過程を阻害する可能性があるため、治療効果に影響を与える可能性があります。
  • コスト:特殊な機器と技術を要するため、通常の治療よりも高額になる傾向があります。
  • 効果の個人差:患者さんの年齢や全身状態により、CGFの効果に差が出る可能性があります。

以上のように、CGFは、歯科再生医療の分野で大きな可能性を秘めた技術です。

しかし、その適用には専門的な知識と経験が必要です。患者さんごとの状態を慎重に評価し、適切に使用することで、従来の治療法よりも優れた結果を得られる可能性があります。