あなたはご存じですか?日本には「歯科口腔保健法」があります.
これからの損をしない歯科のかかり方
はじめに
私たちの人生において、健康は何よりも大切な財産です。その中でも、口腔の健康は全身の健康と密接に関わっており、生活の質を左右する重要な要素です。しかし、多くの人々は歯科医療に対して、痛みや不快感が生じてから初めて向き合うという姿勢を取っています。この考え方は、実は私たちの口腔の健康を長期的に脅かす可能性があります。
本稿では、日本の歯科医療の現状と、それを取り巻く法律や社会構造について深く掘り下げていきます。さらに、従来の「治療中心」の歯科医療から、いかに「予防中心」の歯科医療へと転換していくべきかを探ります。この新しいアプローチが、皆さまの生涯にわたる口腔の健康維持にどのように貢献するのか、その重要性と実践方法についてお伝えします。
日本の歯科口腔保健法とその意義
みなさんは、日本に「歯科口腔保健法」があることをご存じでしょうか。この法律は、全身の健康と質の高い生活を送るためには、口腔の健康の維持と予防が基礎的で重要であることを法律として定めたものです。
この法律の画期的な点は、国が初めて「むし歯と歯周病」を予防可能な疾患として明確に位置付けたことです。さらに、歯科疾患の予防を推進することで、国民がより健康な人生を送れるようにすることを国家レベルで宣言しています。
法律では、「国民が日常生活で歯科疾患の予防に向けて取り組むことが、口腔の健康を守るために極めて有効である」と明記されています。つまり、「自分の体(歯)は、自分で守るしかない」という責任と自覚を国民一人ひとりに求めているのです。
従来の歯科医療の問題点
歴史的背景について
日本の歯科医療の歴史を紐解くと、「むし歯の洪水」と呼ばれるほど、国民の口腔状態が良くなかった時期がありました。この時代、歯科治療は他の全身疾患と同様に「早期発見・早期治療」という考え方が主流でした。
この方針のもと、「進行するかもしれないから、念のために削って詰めて。抜いて、入れて」という修復治療が繰り返し行われてきました。当時は歯科医院の数が限られており、多くの患者に対して十分な治療を提供することが難しかったという背景もあります。
でも、今では、たくさんの歯科医院ができ、長期間待たされることなくいつでも治療に取りかかれるようになりました。それにもかかわらず、上にお示しした「歯科口腔保健法」の中には、国民の口腔の健康を守るためには、予防とともに、「早期発見・早期治療」と書いてあります。はたして本当にそうなのでしょうか?
今からもずっと早期発見・早期治療なのでしょうか?
何かがちがうのではないでしょうか?
また、その根底には、日本の医療保険が、「疾病保険」であるということもあると思います。
つまり、「病気を治療することに対しての保険」なので、歯医者は、削って、つめて、抜いて、入れてという具合に、治療をしないと診療報酬が得られないという社会構造も関係しているのではないかと私たちは考えているのです。
ここで、「歯が痛みだしたり、歯ぐきがはれたり、欠けたり、外れたり」などという、「何か自分でわかる問題が起こってから、修復治療のために行くところ」という考え方を変えずに、旧態依然とした歯科のかかり方を今後も続けると、どんなことが起こってしまうのかを考えてみます。
歯が悪くなった本当の原因をつきとめる
「何かあってから」しか、お口のチェックを受けないので、悪くなったところも手遅れになりがちだし、「早期発見・早期治療」と思ってしまいます。だから、果たして進行するのかどうかもわからないのに、経過を時間をかけてしっかり経過をみることなく、また、
歯が悪くなった本当の原因を除去する前に、「歯をけずる修復治療」を優先して、治療を早く終わらせようという傾向になってしまうと思われます。
でも、原因を除去できたわけではないので、しばらくすると、また、別のところがむし歯になったりして、治療が必要になることが考えられます。どうでしょうか?皆さんもぜひ一度、考えてみて下さい。
その 原因を除去せずに、修復する治療を繰り返した結果 は、いかがでしょうか?
予防的に、より早くに治療を繰り返したおかげで、お口の中に、
年々、銀歯やプラスチックの詰め物が増えていくのではないでしょうか?
現在も、子どもの頃から、イヤイヤながらもまじめに歯科に「治療のために」通ってきた人ほど、その傾向が強くあります。
もちろん、歯医者も、よかれと思ってすることなのですが、 なんと、実は
「早期発見・早期治療」を繰り返した歯ほど、数年おきに問題が起き、
銀歯の脱落、むし歯の再発、さらには痛み出して神経を取られ、挙げ句の果てには、治療したにもかかわらず、数年後には抜かれてしまい、早くなくなってしまうという非常に残念な事実があることをみなさんはご存知でしょうか?
早く治療をして、しかも治療をくりかえした歯ほど、早くなくなってしまうのです。
私は、20年以上歯科医師をしてきました。ある時ふと、気づいたことがあります。
それは、 「削ったり、かぶせたり、治療をしていない歯ほど残っている。または、ごく初期の変化であれば、むし歯が治ってしまっている。」ということです。
でも、実は、これは長く歯科医師をしているほど、みんな、しばしば経験することだったのです。
筑後市のまちの歯科・小児歯科では、このようなムシ歯の特性に着目し、「削って詰めるという修復」を急がず「歯を可能な限り削らないように」「歯をできるだけ抜かないように」して、
歯が悪くなる原因を継続して取り除くための「予防中心の」診療体制にしています。
それは、これからの歯科は、病気を予防するために行くところと、一刻も早く決めていただき、行動していただきたいと願っているからです。まちの歯科では、そのための体制をととのえて皆さんをお待ちしています。
歯は、痛くないからとほおっておいても治ることはありません。自然と穴がふさがることもありません。
歯周病に対する誤解
また、歯周病については「治らない病気」という誤った認識が広まっていました。そのため、歯を支える土台の治療としての歯周病治療がおざなりにされがちでした。結果として、歯自体は健康であっても、それを支える骨が弱ってしまい、歯を抜かざるを得ないケースも多く見られました。
歯周病も、専門的な治療を行わなければ、薬用歯磨きを使って磨いても、治ることは絶対にありません。
お口の健康を守るための予防は、みんなで協力すれば、難しいことではありません。実践するのか、しないのか、それだけなのです。行動あるのみです!
また、悪くなる前に、悪くならないように対策をとるのが、お金を節約して、ストレスを感じなくて良い歯科のかかり方です。
医療保険制度の影響
日本の医療保険制度が「疾病保険」、つまり病気を治療することに対しての保険であることも、従来の歯科医療のあり方に大きな影響を与えてきました。歯科医師は、削って、詰めて、抜いて、入れるという具合に、治療をしないと診療報酬が得られないという社会構造が存在しているのです。
新しい歯科医療のあり方
「超早期発見・継続的予防」への転換
従来の「早期発見・早期治療」から「超早期発見・継続的予防」へと、歯科医療のパラダイムシフトが必要です。この新しいアプローチでは、問題が顕在化する前に予防的措置を講じることで、長期的な口腔の健康維持を目指します。
予防中心の診療体制
筑後市のまちの歯科・小児歯科では、むし歯の特性に着目し、「削って詰めるという修復」を急がず、「歯を可能な限り削らないように」「歯をできるだけ抜かないように」して、歯が悪くなる原因を継続して取り除くための「予防中心の」診療体制を採用しています。
この方針は、長年の臨床経験から得られた洞察に基づいています。20年以上の歯科医師としての経験から、「削ったり、かぶせたり、治療をしていない歯ほど残っている。または、ごく初期の変化であれば、むし歯が治ってしまっている。」という事実に気づいたのです。
私たちは、これからの歯科への通院の理由を「病気を予防するため」と決めていただきたいのです。
なぜなら、私たちは今まで、治療にお見えになるたびに、歯がさらに悪くなったり、歯を抜いて入れ歯を入れなければならなくなった方たちを、数えきれないぐらいみてきたからです。
そんな時、歯科治療を担当する立場だからと言うより、人として、本当に残念で、悲しい気持ちになります。
それは、予防は非常に簡単で、かけがえのない歯を守ることになるし、しかも、そんなに難しいことではないと知っているからです。
予防の重要性と実践方法
お口の健康を守るための予防は、決して難しいものではありません。以下の3つのポイントを押さえることで、効果的な予防が可能となります。
- 適切な食生活 砂糖を含む食品やスナック菓子などでの間食を極力避け、全身の健康にも良い「食」生活を目指すことが重要です。砂糖摂取の制限は、むし歯予防の重要なポイントです。
- セルフケア・テクニックの充実 「食べ終わったら出来るだけ早くブラッシング」を心がけ、朝昼食後2回と寝る前のフッ素ブラッシングを行います。また、デンタルフロスや歯間ブラシなど、すきまを狙って掃除できる器具の使用も効果的です。
- 定期検診と同時のプロケア 定期的な歯科検診とプロフェッショナルクリーニングを受けることで、問題の早期発見と予防が可能になります。
予防歯科の効果
定期的にクリーニングに通われている患者さんの声からも、予防歯科の効果が実感されています。以前は頻繁に歯肉の腫れや痛みを経験していた方も、定期的なケアによってそれらの症状が改善し、口腔の健康が維持されているのです。
まとめ
歯科医療は、「病気を治療するため」から「病気を予防するため」へとパラダイムシフトする時期に来ています。むし歯と歯周病は予防可能な疾患であり、適切な予防策を講じることで、生涯にわたって健康な歯を維持することが可能です。
予防中心の歯科医療は、患者さんの時間とお金を節約し、不必要なストレスを軽減します。さらに、健康な歯を維持することで、全身の健康にも良い影響を与えます。
私たちは、この新しい歯科医療のあり方を推進し、皆さまの口腔の健康を守るためのサポートを続けていきます。ぜひ、今日から予防歯科をはじめ、定期的な口腔の健康チェックとプロケアを体験してください。あなたの笑顔と健康な人生のために、一緒に取り組んでいきましょう。
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<定期的にクリーニングに通われているNさんの声> 当院アンケートより引用
「私は、これまで痛くなったり歯が壊れたときしか歯医者に来ませんでした。以前は、3か月に一度ぐらい、歯ぐきが腫れて痛かったのですが、定期的に通うようになって、それが無くなって、調子がいいです。そして、クリーニングのあとは歯がつるつるしてとても気持ちがいいです。定期的なクリーニングの効果を実感しています。」