フッ素塗布は何歳から始めるべき?乳歯を守るむし歯予防の基礎知識

2025年12月11日(木)
フッ素を始める年齢を考えるイメージ

あなたは、子どもの歯をいつも見てあげていますか?

どうしたら、完璧にむし歯を防ぐことができるのでしょうか?

お子さまの歯の健康を守りたいと考える保護者の方にとって、歯医者で受けることができる「フッ素塗布」は、気になる予防方法のひとつではないでしょうか。

「いつから始めればいいの?」「本当に効果があるの?」「危険ではないの?」など、疑問をお持ちの方も多いかもしれません。

今回は、主にフッ素塗布の効果や開始時期について、わかりやすく解説していきます。むし歯予防に成功したい親御さんには必読のコラムです。どうぞ最後までお読みください。

フッ素がむし歯予防に効果的な理由

フッ素塗布のイメージ

むし歯予防に効果があるものとして、「フッ素」は広く知られています。フッ素は自然界のいたるところに存在する物質で、お茶や野菜などにも含まれています。

歯医者で用いている「フッ素」は、正しくは「フッ化物」で主に「フッ化ナトリウム」という化合物です。これを適切に使用することで歯を強くする働きがあるのです。

「フッ化ナトリウム」の濃度は厳格にコントロールされていて、これを歯に塗布することで、歯の表面を形作っている「エナメル質」の石灰化を促す作用が期待できます。

石灰化とは、歯を構成するミネラル成分が構造を変えて歯に定着することで、歯が硬く強くなることを指します。フッ素はこの石灰化を促進することで、むし歯菌が作り出す酸に対して歯を強くし、むし歯になりにくい歯を作ることができるのです。

さらにフッ素には、初期のむし歯を修復する「再石灰化」を促す働きもあります。ごく初期のむし歯であれば、フッ素の力で自然に治癒することもあるため、定期的なフッ素塗布は予防だけでなく、早期の対応にも役立ちます。

乳歯と永久歯の違い、なぜ乳歯にフッ素が重要なのか

乳歯のイメージ

乳歯は永久歯に比べて、「エナメル質の石灰化度が低い=柔らかい」といわれています。つまり、乳歯のエナメル質は永久歯よりも薄く、柔らかく、酸に溶けやすい構造になっているのです。

このため、乳歯は永久歯よりもむし歯になりやすく、むし歯の進行も速いという特徴があります。乳歯のむし歯は、多くの場合速く深く進行してしまうのです。

乳歯は、単に噛むことだけではなく、成長にともなって後に生えてくる永久歯のための場所を確保する大切な役割も担っています。そのため、乳歯が早期にむし歯で失われてしまうと、永久歯の歯並びに悪影響を及ぼすことになります。

また、乳歯のむし歯が進行すると、痛みで食事がしにくくなったり、噛めないことで口をうまく使うことができなくなって、お子さまの成長や発育にも悪い影響を与えてしまうのです。ですので、フッ素塗布は、子どもの歯をむし歯から守るためにとても大切な取り組みだと言えるでしょう。乳歯だからといって軽視せず、しっかりとケアしていくことが、お子さまの将来の歯の健康につながるのです。

フッ素塗布を始める時期について

乳歯が生え始めた赤ちゃんの口

乳歯が生えてきたら一度受診を

むし歯予防を徹底したいとお考えであれば、乳歯が生えてきたタイミングでフッ素塗布を検討してみても良いでしょう。

一般的に、赤ちゃんの最初の乳歯は生後6か月から8か月頃に生え始めます。この時期から歯科医院を受診し、フッ素塗布を始めることで、早期からむし歯予防に取り組むことができます。この場合にも、歯科医院では、安全な応用方法が確立されていますので、ご安心ください。

早い時期からフッ素塗布を始めるもうひとつのメリットは、お子さまが歯科医院に慣れることができる点です。幼い頃から治療のためでなく、予防のために定期的に歯科医院を受診することで、歯医者さんへの恐怖心を軽減し、万一、むし歯ができてしまった場合にでも、治療を進めやすくなります。

多くのお子さんが、最初は何をされるのかわからないので泣いたりしますが、予防の受診では痛いことはされないので、慣れてくるとひとりでもフッ素塗布ができるようになってきます。

3歳頃から始める選択肢も

早く始める方がより高い効果が期待できるのですが、もう3歳ぐらいになっている親御さんもご安心ください。この頃には乳歯列がほぼ完成しています。この頃までにハッキリしたむし歯がない場合でも、定期的なフッ素塗布を開始することで、むし歯ゼロの可能性がグンと高まります。

3歳頃になると、上下合わせて20本の乳歯が生え揃い、食事の内容も多様になってきます。甘いものを口にする機会も増えるため、この時期からフッ素塗布を始めることは、むし歯予防に効果的なタイミングといえるでしょう。

また、3歳頃になるとお子さま自身もある程度コミュニケーションが取れるようになり、歯科医院での処置も受けやすくなります。歯磨きの習慣づけとあわせてフッ素塗布を取り入れることで、総合的なむし歯予防対策を進めることができます。

6歳臼歯が生える時期は特に注意

6歳前後になると、乳歯の奥に「6歳臼歯」と呼ばれる最初の永久歯が生えてきます。この6歳臼歯は、噛む力が最も強く、食べ物を噛み砕く上で非常に重要な歯です。また、その後、一生使う大切な歯なのです。

しかし、生えたばかりの6歳臼歯は歯質が未熟で、むし歯のリスクが大きく上昇する時期でもあります。

6歳臼歯は乳歯の奥に生えてくるため、お子さま自身では磨きにくく、保護者の方も気づきにくい場所にあります。また、完全に生え切るまでに時間がかかり、その間は歯ブラシが届きにくく、食べかすが溜まりやすい状態が続きます。

この6歳前後の時期には、ご家庭では、お砂糖を含むお菓子やジュースなどの摂取頻度や量に特に気をつけて、歯科医院では、むし歯予防の処置をしっかりと受けていただきたいと思います。

時期を見極めて、フッ素塗布に加えて、シーラント処置(歯の溝を樹脂で埋める予防処置)なども効果的です。

フッ素塗布の頻度と継続の大切さ

フッ素塗布のスケジュールのイメージ

フッ素塗布は一度行えば終わりというものではなく、定期的な塗布によって効果を長期にわたって持続させることが必要です。一般的には3か月に一度の間隔で塗布することが推奨されていますが、6歳臼歯が生えだした後は、月に1回行うとより高い効果が期待できます。

歯科医院での定期健診と合わせてフッ素塗布を受けることで、むし歯の早期発見と予防の両方を実現できます。むしろ、むし歯を発見しないで済む可能性すらあります。

また、歯科医院でのフッ素塗布と併せて、ご家庭でのフッ素配合歯磨き粉の使用も効果的です。毎日のブラッシングでフッ素を補給することで、より強固なむし歯予防が可能になります。お子さまの年齢に応じた適切な濃度のフッ素配合歯磨き粉を選び、正しい使用方法を歯科医師や歯科衛生士に確認しましょう。

フッ素塗布のタイミングに迷ったら

歯科定期検診を受ける小さい女の子

フッ素塗布を始める最適なタイミングは、お子さまの歯の生え方、むし歯のリスク、生活習慣などによって異なります。

定期的に歯医者を受診することで、お子さまの歯とお口の健康状態を把握し、確認しながら最適な予防プランでむし歯予防を続けて行くことができるでしょう。

フッ素塗布のタイミングに迷われたら、一度、筑後市のまちの歯科医院への相談もご検討ください。専門家の立場でわかりやすくアドバイスをいたします。すぐにむし歯予防を始めることができます。早めの相談と定期的なケアが、お子さまの健康な歯を守ることにつながっていくことでしょう。

以上、ご参考になさってください。

まちの歯科医院

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