むし歯も歯周病も予防こそが最善の治療です

なぜ今、予防歯科が注目されているのか

「歯が痛くなったら歯医者に行く」という考え方は、今や、もう完全に古いものになりました。
今の歯科医療では、「痛くなる前に歯科医院へ予防のために通う」という予防歯科の考え方が主流になっています。
皆さんは、だいぶ前から国も予防歯科に注目していて、
医療保険も予防とお口の機能の維持管理へシフトしてきている
ことをご存じでしょうか?
なぜ予防歯科がこれほど重要視されるようになったのでしょうか。その理由をわかることと、実際に行動していただくことが皆さんの歯を守り、これからの、損をしない歯科医院の利用方法へ移行していく第一歩となると確信しています。
今回は、最新の「予防歯科」について解説します。「一生自分の歯で美味しく食べたい」「健康で美しい口元を保ちたい」とお考えの方にとっては、必読の内容ですので、ぜひ最後までお読みください。
むし歯と歯周病は、実は日本人が歯を失う二大原因です。
厚生労働省の調査によると、80歳の方で残っている歯の平均本数は約15本程度とされています。人間の歯は、親知らずを除いて28本ありますので、多くの方が人生の後半で半分以上の歯を失っているという残念な事実があります。
でも、この歯の喪失は、実は避けられない老化現象ではありません。
「もう年だから歯が無くなっても仕方ない」ということではない
のです。
痛いときだけに歯医者にかかったり、「早期発見・早期治療」の名の下に治療の繰り返しを行うことは、歯を少しずつ失っていくこと度同じです。ですので,このコラムを読んだ後に、より多くの方が「自分の歯を一生守り抜く」行動を始めてほしいと思います.それは、適切な予防とケアを続けることで、生涯にわたって多くの歯を保つことが可能であるからです。
歯を失うことのデメリットは、単に食べ物を噛めなくなるということだけではありません。
発音が不明瞭になったり、顔貌が変わったりして、生活の質全体に大きなマイナスの影響を与えるのです。また、近年の研究では、歯周病が糖尿病や心臓病、認知症などの全身疾患と深く関連していることも明らかになっています。
つまり、口の健康を守ることは、全身の健康を守ることにもつながるのです。
むし歯や歯周病になってから治療を受けるのと、予防によって病気にならないようにするのとでは、どちらが良いでしょうか。答えは明らかです。治療は時間もお金もかかりますし、何より歯を削ったり抜いたりすることで、元の健康な状態には二度と戻れなくなります。
一方、予防は比較的短時間で済み、費用も抑えられ、何より大切な歯を守り続けることができるのです。
歯を失うことで生じる様々な問題

歯を失うことの影響を、もう少し詳しく見てみましょう。
まず、食事の楽しみが大きく損なわれます。
歯が無いためにしっかりと噛めないと、好きなものが食べられなくなったり、食事に時間がかかるようになってきます。また、十分に咀嚼しないまま飲み込まざるを得ず、消化器官にも負担がかかり、栄養の消化と吸収も悪くなることがわかっています。
また、歯を失った部分を放置すると、隣の歯が倒れてしまったり、噛み合う相手を失った歯が伸びてきたりして、歯並びや噛み合わせが崩れてしまうことが多いです。そのために残っている歯にも過度な負担がかかってしまい、次々と歯を失う悪循環に陥ってしまうことさえあります。
入れ歯やインプラントなどで失った歯を補う治療もあり、機能回復をすることは可能ですが、これらの治療には時間と費用がかかります。特にインプラント治療は、第三の永久歯といわれるほど高機能な修復方法ではありますが、まちの歯科医院では、一本あたり約40万円という比較的高額な費用が必要です。
また、どんなに優れた人工の歯でも、天然の歯に完全に取って代わることはできません。一生を通して自分の歯で噛める方が、はるかに良いですし、一本の歯のありがたさや噛める喜びは失って初めて、その大切さに気づくものなのではないかと思っています。
さらに、歯を失うことは精神的な面にも大きく影響します。人前で笑えなくなったり、会話に自信が持てなくなったりすることで、社交的な活動を避けるようになってしまって、「引きこもり」になる方もいらっしゃいます。このように、歯の健康は生活の質と密接に結びついていると考えていただきたいと思います。
超重要!定期検診とクリーニングがもたらす効果

まちの歯科医院で行う予防歯科ではどのようなことをするのかというと、メインは「定期的な歯科検診」と「プロフェッショナルクリーニング」です。
多くの予防に熱心な歯科医院では、お口の状態にはよりますが、一律に3か月に一度の定期検診を推奨していることが多いです。
ですが、筑後市のまちの歯科医院では、多くの方に2か月に1回、もしくは毎月の受診をお勧めしています。
それは、20数年以上の経験から導き出した、非常に予防効果が高いと考えられる検診とプロフェッショナルクリーニングの頻度であるからです。
「痛くもないのに歯医者に行く必要があるのか?」
と疑問に思われる方もいるかもしれませんが、実は、定期検診には、一般の方はまだご存じない多くのメリットがあります。
まず、むし歯や歯周病の早期発見が可能です。
むし歯も歯周病も、初期段階では自覚症状がほとんどありませんし、放置しても自然に治ることはありません。また、痛みを感じるようになった時には、すでに、残すことが難しいほどかなり進行してしまっていることが多いのです。ですから、定期検診と専門的なクリーニングも定期的に受け、専門家の目で厳しくチェックすることで、小さな異変も見逃さずに対処できることが多いです。
ごく初期のむし歯であれば、場合によっては削らずに進行を止めることも充分可能ですし、歯周病は治ることはありませんが、早期であれば簡単な処置で改善することはできます。
プロフェッショナルクリーニングでは、家庭での歯磨きでは取り除くことができない細菌のかたまり=プラーク汚れを徹底的に除去します。
どんなに丁寧に歯を磨いたつもりでも、歯ブラシの届きにくい場所には必ず磨き残しが生じます。また、歯石になってしまって固まったしつこい細菌汚れは、歯ブラシでは取ることができません。
それについては、歯科衛生士が専用の器具を使って、これらの細菌汚れを綺麗に取り除くことで、むし歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことができるのです。
さらに、定期検診では、希望によってブラッシングの指導も受けられます。磨き残しが多い場所を教えてもらい、効果的な磨き方を学ぶことで、日々のケアの質が向上します。また、必要に応じて食生活や生活習慣についてのアドバイスも受けられるため、総合的な予防対策を立てることも可能です。
むし歯を防ぐための具体的な方法とは

むし歯予防の基本は、毎日の丁寧な歯磨きです。しかし、ただ磨けばよいというものではありません。正しい方法で、適切な時間をかけて磨くことが重要です。
理想的には、一日3回、食後に歯を磨くことが必要です。就寝前の歯磨きを特に入念に行うことで、むし歯のリスクを下げることは可能ですし、最も重要な予防方法です。
睡眠中は唾液の分泌が減少するため、むし歯菌が活動しやすくなるので、寝る前にしっかりと汚れを落としておくことで、夜間のむし歯リスクを減らすことができるのです。
歯磨きの時間は、最低でも3分間は確保したいところですが、3分間磨けば良いということではありません。
歯の表面だけでなく、裏側や奥歯の噛む面、歯と歯ぐきの境目など、すべての面の細菌汚れ落とすには、3分間は短いかもしれません。
また、歯ブラシを握りしめて、ゴシゴシと力を入れすぎると歯や歯ぐきを傷つけてしまうので、歯ブラシの持ち方を工夫すると良いと思います。親指、人差し指、中指の3本指で歯ブラシを優しく挟むように把持すると、力が抜けて、小刻みに動かすことができます。実はこれが重要なポイントです。
歯ブラシは毛先が広がったら交換し、常に良い状態のものを使用しましょう。
また、歯磨き粉にも注目してください。フッ素配合の歯磨き粉を使うことで、歯の表面を強化し、むし歯になりにくい歯を作ることができます。
フッ素には、歯の再石灰化を促進する効果や、むし歯菌の活動を抑える効果があります。特に子どもの場合、生えたばかりの永久歯は表面が未成熟でむし歯になりやすいため、フッ素の使用が強く推奨されます。
ネット上のガセネタに影響されて、フッ素は危険だから使わないとおっしゃる方がいらっしゃいますが、特に乳歯と永久歯の生え替わりの時期にフッ化物の応用をされていないことは、生涯のむし歯リスクを下げるチャンスを放棄したと言われても仕方ないかもしれないと考察しています。
歯科医院でのフッ素塗布も非常に効果的です。市販の歯磨き粉に含まれるフッ素よりも高濃度のフッ素を、歯の表面に直接塗布することで、より強い予防効果が得られます。
筑後市のまちの歯科医院では、特に、子どもやむし歯のリスクが高い方に、定期的なフッ素塗布をお勧めしていますし、定期的な管理によって歯を失うリスクを低くコントロールしています。
大人の場合も、加齢によって歯ぐきが下がり、歯の根元が露出してくると、その部分が「根本むし歯」になりやすくなります。フッ素塗布によって、こうしたリスクを減らすことができるとことを確認しています。
しかしながら、一番重要なのは、「食生活」です。
甘いものを頻繁に食べたり、だらだらと長時間食べ続けたりすると、口の中が酸性に傾く時間が長くなり、むし歯のリスクが高まります。間食の回数を減らし、食べた後は水で口をすすぐなど、ちょっとした工夫がむし歯を予防するには大切です。
歯周病を防ぐための効果的な対策

歯周病は、日本人の成人の約8割が罹患していると言われる国民病です。
初期の段階では「歯肉炎」と呼ばれ、歯ぐきの腫れや出血などの症状が見られます。これを放置すると「歯周炎」に進行し、歯を支えている骨が破壊されていきます。最終的には歯がグラグラになり、抜け落ちてしまうこともあります。
歯周病の主な原因は、歯と歯ぐきの境目に溜まる歯垢(プラーク)とその中に存在する細菌です。
プラークは細菌の塊で、この中に歯周病菌がいることで歯ぐきに炎症を引き起こします。プラークを放置すると、唾液中のミネラル成分と結合して硬い歯石になります。歯石の表面はザラザラしているため、さらにプラークが付きやすくなるという悪循環に陥ります。
歯周病を防ぐためには、このプラークを毎日しっかりと取り除くことが最も重要です。これを自宅で行える
「プラークコントロール」と言います。
しかし、歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを完全に取り除くことはできません。そこで活躍するのが、デンタルフロスや歯間ブラシです。
デンタルフロスは、糸状の清掃用具で、歯と歯の間に通して汚れを取り除きます。歯間ブラシは、小さなブラシが付いた器具で、歯と歯の隙間が広い部分の清掃に適しています。これらの補助清掃用具を毎日使うことで、歯ブラシだけの場合と比べて、プラークの除去率が大幅に向上します。最初は使い方が難しく感じるかもしれませんが、歯科医院で正しい使用方法を教わることで、効果的に使えるようになります。まちの歯科医院では、その具体的な方法をお伝えしていますので、ぜひアドバイスを受けて下さい。
また、歯周病予防には、定期的な歯科検診とプロフェッショナルクリーニングが欠かせません。むしろ、「マスト」です。
どんなに丁寧にケアしても、完全に歯石の形成を防ぐことは困難です。まちの歯科医院では、専用の器具を使って歯石を徹底的に除去します。特に、歯ぐきの下に隠れている歯石は、自分では取り除けないため、プロのケアが必要です。
歯周病は生活習慣病の一種でもあります。喫煙、ストレス、不規則な生活、栄養バランスの偏りなどが、歯周病のリスクを高めます。禁煙、規則正しい生活、バランスの取れた食事など、健康的な生活習慣を心がけることも、歯周病予防につながります。
予防歯科は、一度始めたら一生続けるものです。毎日の丁寧なケアと、定期的な歯科検診の両方を継続することで、生涯にわたって健康な歯を保つことができます。あなたの大切な歯を守るために、今日から予防歯科を始めてみませんか。
以上,予防歯科についてご案内しました。この記事が皆さんの健康維持に役立つことを願っています。