治療している病気があるけどインプラントはできますか?
インプラントに影響する全身疾患があります.
入れ歯に抵抗があったり,入れ歯でそこそこ噛めるし,ムチャクチャ不満では無いけれど,「もっと自然な感じで噛みたいし,入れ歯では食事の味がしない.」,「食事が美味しくない.」と思われている方はとてもたくさんいらっしゃいます.
また,「まだ30代なのに歯が抜けてしまって,早くも入れ歯生活が始まってしまった.」後悔しているけれど,二度と元どおりにはならないし,「何とか元に近い形にならないものだろうか?」と思われている方も多いのではないでしょうか.
そういう場合,「歯科インプラント治療」が,起死回生の手段になることもあります.
なぜなら,インプラントは,歯を支えていた顎の骨格に直接強固に固定されて,元どおり以上の「咬む力」を発揮するからです.
でも,インプラント治療を希望すれば誰でもできると思われていますか?
ハッキリ言いますが,残念ながら,全ての人が治療できるというわけではないのです。
そこで今回は、インプラントに影響がある全身疾患についてお話します。
インプラント治療に影響がある病気とは?
1)糖尿病
糖尿病の治療とコントロールが上手くいっていないと,手術したあとの傷口が細菌に感染しやすく,傷が治りにくいというリスクがあるため,インプラントの治療は難易度が高くなります.また,インプラントを支える骨を作る機能が低下するため,骨に埋め込むインプラント体と支える骨をうまく骨結合できなくなることもあります.しかし血糖コントロールが
できている方の場合は治療可能となるケースも多いです.
2)腎臓病
免疫力が低下してしまう腎臓病も,傷が治りにくかったり,骨結合が難しい場合があります.人工透析などを受けられている方には,歯科インプラント治療は,残念ながら不向きな治療と考えられます.
3)心臓病
狭心症や心筋梗塞の経験がある方などは,ほとんど全員が血液をサラサラにする薬を服用していると思われます.これにより、血が止まりづらくなることがあるので注意が必要です.血液サラサラにするお薬をごく一時のみに休薬できる場合は,インプラント治療になる場合がありますので,主治医による判断と充分なインフォームドコンセントの下に治療がが可能になる場合があります.
4)骨粗しょう症
骨粗しょう症の薬で,ビスホスフォネート(BP)製剤を服用している方は,抜歯などの外科処置をした顎の骨の露出や壊死、炎症が悪化するなどの副作用がでることがあります.骨を扱うインプラント治療では,最も警戒すべき病気であるとまちの歯科医院の内山は考えています.
―――いずれの疾患の場合も,主治医や歯科医師にきちんと相談することが大切です.全身のことも十分に考え,一生何でも美味しく食べられるような結果につながり,安心安全なインプラント治療をしていきたいと考えています.