要注意!治療済みの歯もむし歯になります.(定期検診のススメ)

むし歯は治療したら安心でしょうか?

皆さんは「一度治療した歯は虫歯にならない」と思われますか?「かぶせてしまったし,歯医者で治療してもらったのだからもう安心?」いいえ,実はそうではありません

歯と詰め物や被せ物の僅かなすき間(数μのすき間です。)から虫歯菌が侵入し、再度虫歯になってしまうことは、実際よくあることなのです。ですから,まちの歯科医院では,保険であっても可能な限り精密に型取りを行うことに努めており,保険の担当技工士さんは,マイクロスコープ(実体顕微鏡)を使って,可能な限り精密に適合させる努力を日々行っています.しかし,保険治療で広く使われている金銀パラジウム合金は,12%しか金が含まれていない「銀合金」で,一定のお口の環境下で,錆びてしまうことがわかっており,むし歯の再発と関連があることが知られています.

上の図にあるような歯の内部や被せ物の下のような場所は、何か症状がない限り,自分でも全く見ることができないし,異常な感覚がないため発見が遅れがちになります。

事実,数年以上歯とお口のメインテナンスを受けていないと,いつの間にか被せ物の下で虫歯が大きく広がって,歯を残すことが困難になってしまっていることも多々あります.

そんな状況に陥らないためには

まずは,むし歯にならないようなお口の環境整備に努めましょう.むし歯の原因菌である「ミュータンス菌」には,多くの日本人が生活の中で母子を中心とする家庭環境の中で感染してしまっています.

特に,このミュータンス菌の数に注目した研究があります.2002年に「小児歯科学雑誌」に掲載された岡山大学歯学部の岡崎好秀先生(主任:下野努教授)を中心としたグループの研究成果です.

それによると,むし歯のない3〜5歳の小児114名を対象に調べた結果ですが,

1)間食の不規則な摂取

2)1日の間食の回数が3回以上

3)甘味飲料を多く飲む

4)保護者のむし歯が多い

5)間食後に歯みがきをしない

以上の5つが,ミュータンス菌の数に有意に関連していたそうです.

いかがでしょうか?大人であっても心当たりがある方はいらっしゃるのではないでしょうか.むし歯菌が多ければそれだけむし歯のリスクは高くなると考えられますから,以上5つのことを日常生活からなくしていく努力をすることが,むし歯の再発を防ぐにはまず必要になると考えられるのではないでしょうか.特に,治療した歯がある方には,気をつけていただきたい再発予防のポイントだと思います.

さらに再発予防を成功させるために

かかりつけの歯科医院を持ち、定期的にチェックして,同時に徹底したクリーニングをすることが重要です。何でも遠慮なく相談できる歯科医院があれば、継続的に予防管理をすることができますし,ちょっとした違和感も伝えやすく,悪くなってしまった部分の早期発見が可能になります.できれば,治療しないで長持ちするのが一番ですが,残念ながらむし歯が発見された場合でも,早期であるほど簡単な処置ですみ,治療期間も短くなることが多いです.

日本でも,「国民皆歯科検診」の方針がでました.歯を大切にして,一生自分の歯で美味しく食べられるようにいち早く定期的な検診とクリーニングを受けられてはいかがでしょうか.

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