むし歯のなりやすさが3歳ぐらいまでに決まってしまうという怖さ

皆さんは一生のむし歯になるリスクが2歳半から3歳頃までに決まってしまうという事をご存じですか?

『え?そんなバカな?』と思われると思いますが、一部の筋では定説になっていることも事実です。

今回は、『むし歯のなりやすさはどの様に決まってしまうのか?』『どうしたらそれを防げるの?』についてお伝えしたいと思います。

むし歯のなりやすさはどのようにしてに決まってしまうのでしょうか?

#筑後市 歯科 予防 #むし歯 筑後市むし歯の原因となる主な細菌は、「ストレプトコッカスミュータンス」という長ったらしい名前の細菌です。生まれたばかりの、歯が無い赤ちゃんのお口の中にはいないことが知られています。では、いったいどこからやって来るのでしょうか?

実は、生まれた後にこのむし歯菌が人から人へ感染するのです。主な感染経路はお母さんとお父さん(主に世話をしている大人)です。その感染が決まるのが、3歳ぐらいまでだということなのです。

では、むし歯菌がお母さんやお父さんから子どもさんにうつるとして、皆さんはいったいその時期はいつだと想像されるでしょうか?

むし歯菌が感染しやすい時期は、生後1歳7ヶ月~2歳7ヶ月の間(乳歯が生えそろってくる時期)とされています。この間に虫むし歯菌がうつる確率が高いわけです。気付かれた方もいらっしゃるとは思いますが、『遅かれ早かれ、むし歯菌がうつるなら、気にしてもしょうがない』とお思いではないでしょうか?

 

実は、うつるとしても、むし歯菌がうつる時期がとても重要なのです。#筑後市 歯医者 #歯科 筑後市

 

どういう事かと言うと、「むし歯菌がうつるのが遅くなればなるほどむし歯になりにくくなる。」ということなのです。

 

歯科界ではよくあるたとえなのですが,お口の中に、あらゆる菌が座れるイスが100席あるとしてみます。

誕生して比較的早いうちにむし歯菌がたくさんうつってしまうとその100席のなかのイスにむし歯菌が80席座って居座ってしまい、他の善玉菌でさえ座ることができなくなります。

かたや遅い段階で、むし歯菌がうつるとするとその席が他の菌にも座られていて20席しかむし菌が座ることができなくなっている状態になります。

同じむし歯の菌がうつるにしても、早い段階でうつってしまうと、むし歯菌が席を80席を押さえてしまっている時には、わずかに席が20だけしか席が残っていません。

 

むし歯菌はどちらも親からうつっていますが、どちらがむし歯になりやすいでしょうか?

 

早い段階でうつった子ですよね。

 

今のところ細菌のバランスを一生変えることができないという残念な事実

そしてもう一つとても重要な事をお伝えしたいと思います。

 

この菌の席のバランスは基本的に一生変えることができないとされているのです。

 

菌が定着した後は、席替えや入れ替えは起こらないと考えられています。実は目に見えないところで、残念なことになっているわけです。

賢明な皆さんは、もう,おわかりだとは思いますが、むし歯菌がうつらない事が何より大切なのですが、どこかでうつるのを遅くすることもとても重要なのだと理解していただきたいと思います。

では、実際にどれくらいむし歯菌の定着度合いとその後の虫歯になりやすさに影響があるかを、スウェーデンのイエテボリ大学のデータを使ってお話ししたいと思います。

スウェーデンのイエテボリ大学(世界でもっとも先進的な予防歯科を研究し、実践している大学の1つ)での研究では

 

筑後市 歯科衛生士 友人2歳までにむし歯菌の感染が無かった子供が4歳になった時の虫歯の本数がわずか0.3本だった一方、2歳までにむし歯菌の感染があった子供が4歳になった時点で、むし歯の本数は、なんと5本もありました。虫歯の本数になんと16倍の差ができていることがわかったのです。

 

ではいったい、むし歯予防を成功させるために何をすればよいのでしょう?

では、実際には、むし歯予防のために何をすれば良いのでしょうか?

 

歯みがきは、予防の基本で、大切なのはいうまでもないことですので、ぜひ頑張ってくださいね!

 

感染予防の対策は4つが考えられます。

 

感染を遅らせるポイントとは?

1.そもそもお母さんとお父さんが歯科医院で歯のむし歯治療とクリーニングメインテナンスを受ける。

お子さんが生まれてから、一番濃厚に接触するのはご両親ですので、赤ちゃんが生まれる前から、遅くともお子さんが1歳になるまでにはご両親のむし歯治療を済ませるのと、その後定期的にクリーニングを受ける事がとても重要です。しかも、これはお子さんのむし歯予防のためだけでなく、ご自身の歯の寿命をのばすためにも一番重要です。

 

2.感染をさせないためにお子さんと同じ箸やスプーンを共有しない、噛み与えをしない

むし歯菌の感染ルートは、食べ物をあらかじめ噛んでから赤ちゃんに与えてしまう「噛み与え」のような間違った離乳のさせ方や食事中のお箸やスプーンの共有とキスなどのスキンシップにあると考えられています。

ですが、全ての感染ルートを遮断するのはかなり非現実的ですし、スキンシップは、子供の発達、発育段階でとても大切ですので止める必要は全くないです。ですが、以下の事は厳守してほしいと思います。

① 決して「噛み与え」をしないようにする。

② 口に入れる箸やスプーンは、お母さん・お父さん(世話をする大人)と別の物にする。

例えば、むし歯があるお母さんがかじった食べ物を、お母さんの使っている箸でお子さんの口に入れると、食べ物と一緒にむし歯菌も入り込んでしまいます。

 

3.砂糖を与えない。難しくても砂糖が入った食べ物(おやつ)飲み物を制限する。

そもそも、糖分がむし歯菌が増殖するための栄養源ですから、砂糖をたくさん取ってしまえばしまうほど、感染してしまったむし歯菌が爆発的に増えてしまうことになるのは明らかです。そして、お口の中の菌が座る席が増殖したむし歯菌にどんどん占領されていきます。ですから、可能な限りむし菌が座った席を減らしたいので、糖分の摂取を制限していただきたいと思います。

◎特にジュースやアメは砂糖の供給時間が長くなるので、決してあげない様にしてください。

 

4.むし歯菌を減らしたり、弱毒化するための方法を知り、実践する。

例えば、キシリトールを摂取するということが考えられます。お母さんのお口の中のむし歯菌が、キシリトールを食べる事によって減っていき、弱毒化することがわかっています。この弱毒化とは、むし歯菌がむし歯の原因となる「酸」を作りにくくすることです。これは、継続的に取り組むことで効果を発揮する手法なのですが、キシリトールを摂取している間は、結果として悪玉のむし歯菌を減らす事ができることがわかっています。お母さんのお口の中にいるむし歯菌を減らす事が出来れば、お子さんに感染するリスクを下げることができます。もちろんむし歯や治療経験の多いお母さんお父さんであれば、ご両親が継続的にキシリトールを摂取することで、ご自身の虫歯の発生も抑えられますので、一石二鳥であるとも言えるかもしれません。ただし、甘味料が100%キシリトールであることが大切です。

 

ここまで、お子さんたちを「むし歯体質」にさせないための対策を書きましたが、最後にポイントをまとめておきます。

 

1.人の「むし歯になりやすさ」は2歳半〜3歳ごろまでに決定してしまい、今のところ,その後一生変化させることができない。

早くむし歯菌が感染すればするほど、その後の「むし歯体質」のリスクは高くなる。

 

2.周りの大人が自覚をして、感染予防を実行するのことが必要。筑後市 歯科 むし歯

お母さん、お父さんがむし歯を放置せず、歯の治療を完了して、むし歯菌の数を減らす。

②感染予防対策のためお箸や、スプーンの共有をしない。

③お砂糖の摂取を制限する。できるだけ避ける。

④自分たち世話をする大人がキシリトールを継続的に摂取するなど、むし歯菌を増やさない努力をする。

 このほかにも,おじいちゃんやおばあちゃんが

 

砂糖の入った甘いお菓子やアメ、ジュースなどを頻繁にあげているケースがあります.

 

お孫さんの事を本当に考えておられるのか、心配になります。歯を失い、一生かかってジワジワと健康を害することにつながりかねませんので、このコラムをお読みになった方は、

「孫かわいさに、喜ぶ砂糖を与える」行為は、可能な限り避けていただきたいと願ってやみません。

「正しく可愛がること」も大切ではないでしょうか。ご理解いただけたのなら、幸いです。

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